環境
- Ubuntu 24.04
概要
Ubuntu 23.10から試験的にTPM(Trusted Platform Module)によるフルディスク暗号化がサポートされた。通称FDM(Full Disk Encryption)というらしい。 めちゃくちゃ簡単に言うとBitLockerのUbuntu版である。
単に暗号化するだけだと、起動時にパスフレーズの入力を毎回求められてしまいサーバー運用には向かないのだが、TPMを使うと安全に復号キーを保存できる。
それを試してみたのだが、Ubuntuインストール時にエラーで暗号化を選択できない。
確認
まずTPMが見えているかを確認する 2と表示されればOK
root@ubuntu02:~# cat /sys/class/tpm/tpm0/tpm_version_major 2
デバイスファイルを見えているか確認する
root@ubuntu02:~# ls /dev/tpm* /dev/tpm0 /dev/tpmrm0
解決方法
echo 5 > /sys/class/tpm/tpm0/ppi/request
を実行してTPMを初期化する必要がある。その起動ではまだインストールできないので再起動して再度起動すると✅️が入れられるようになる。
原因
Ubuntuインストール時にTPMがDA Lockout Modeになっていると、インストールできないようになっている。
ここでいうDAとはDictionary Attackの略で、要はTPMがパスワード総当たり攻撃(辞書攻撃)から守るために、一定回数以上間違ったパスワードが入力されると「ロック」される機能がありその状態だった。今回NUCで試したが購入時はロックが掛かっていたらしい。
先のコマンドの5は「TPMをクリアしてほしい」というリクエスト番号で、 /sys/class/tpm/tpm0/ppi/requestに書き込むことで初期化される。