いつの間にかdstatが開発終了し、doolが後継になっていたのでそのまとめメモ
dstatとは
dstat コマンドは、Linuxシステムのリソース使用状況をリアルタイムに監視するための強力なツール。 CPU、メモリ、ディスクI/O、ネットワークなど、様々なシステムリソースの統計情報を、画面上に分かりやすく確認できる。
dstat-real/dstat: Versatile resource statistics tool (the real one, not the Red Hat clone)
- 豊富なプラグインによる柔軟な拡張性
- 多彩なメトリクスをリアルタイムに監視できる
- 軽量で低負荷
dstat開発終了の経緯
- dstatは2004年からDag Wieers氏によって開発がされていた
- 2016年以降コミットがなく、プロジェクトが放置されていた
- 完全に開発停止って訳ではなかった模様
- 2018年、Red Hatはdstatを死んだものとみなして独自のdstatバージョンの開発を開始
- 当時のdstatはPython3のサポートがなかった
- Red HatがFedra Projectにおいて自社で開発するPerformance Co-Pilot(PCP)に、dstatを改変して取り込んだ(pcp-dstat)
- Red Hatは新しいツール「pcp-dstat」を開発し、/usr/bin/dstatのシンボリックリンクとして配置
- dstatの作者はこれを既存ツールの知名度にただ乗りした乗っ取りとみなし嫌悪感を表明、嫌気がさしたことを理由としてdstatの開発終了を宣言した
問題点
- 元の開発者との事前相談なしに置き換えを決定
- 同じ「dstat」という名前を使用し、オリジナルのdstatをユーザーがインストールできなくなった
- PCPの依存関係が必要となり、軽量という元々の設計思想から外れた
勝手にパッケージ書き換えるのはひどいなあ Red Hat仕草というかなんというか。
で、Ubuntu 24.04のdstatコマンド確認したら確かにRed Hatの文字があった。
#!/usr/bin/env pmpython # # Copyright (C) 2018-2022 Red Hat. # Copyright (C) 2004-2016 Dag Wieers <dag@wieers.com> # # This program is free software; you can redistribute it and/or modify it # under the terms of the GNU General Public License as published by the # Free Software Foundation; either version 2 of the License, or (at your # option) any later version.
けどインストールパッケージ名はdstatだったよなぁと思って確認したらpcpにすり替わっていたw
apt install dstat パッケージリストを読み込んでいます... 完了 依存関係ツリーを作成しています... 完了 状態情報を読み取っています... 完了 注意、'dstat' の代わりに 'pcp' を選択します pcp はすでに最新バージョン (6.2.0-1.1build4) です。
その後
別の人がdstatの開発を受け継ぐ意思を表明し、dstat作者の承諾を得た。これはdoolという名前で受け継がれた。
scottchiefbaker/dool: Python3 compatible fork of dstat
doolのインストール
aptでは2024年10月24日現在提供されていないのでgitから直接インストール
curl https://cdn.jsdelivr.net/gh/scottchiefbaker/dool@master/dool | sudo tee /usr/local/bin/dool sudo chmod +x /usr/local/bin/dool
オリジナルのdstatよりもデフォルト見やすくなってた